「日本一の巨樹」と聞くと、屋久島を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実は蒲生八幡神社の御神木「蒲生の大クス」が多くの巨樹の中で日本一であることが立証されています。

　蒲生の大クスは国指定の特別天然記念物で、樹齢は約１,５００年。根周りはなんと３０メートル以上もあり、目通り幹囲は約２４メートル、高さは３０メートルです。社殿に向かって左側にずっしりと根を下ろしており、大蛇のように四方へ張り出した根は、苔むしたたくさんの巨大なコブを作りだしています。その存在感は特別で、途方もない重量感に圧倒されます。幹の基部には約１３平方メートルの空洞があり、中を覗くと吸い込まれそうなほど大きな空間が目に飛び込んできます。

　また、根を踏まないように設置された見学用デッキからは、自然の生命力溢れる素晴らしい御神木を間近に感じることができます。見上げると、活き活きとした枝葉がゆれ、木漏れ日が差し込みます・・・。圧倒的な姿を目の当たりにすると、抱えていた悩み事も小さく思えてきますね。

　地元では親しみを込めて「大楠殿（おおくすどん）」と呼ばれています。

　「蒲生八幡神社」は商工・学問・芸術・自立自興・安産の神が崇められています。大きな赤い鳥居をくぐると、境内に向かう石畳が現れます。石畳の両側に咲く桜が、この神社の見所です。

　御朱印には「日本一の大楠」との文言をいただけます。大楠がデザインされたオリジナル御朱印帳も販売されており、季節・行事ごとに‘‘限定御朱印’’が発行されているのだそう。御朱印収集家からも一目置かれるほどの種類だそうです。御守りやおみくじの種類も豊富で、楠木で作られたお守りやペットお守りなど、ユニークなものも販売されています。

　社務所ではお茶とお菓子をいただけて、２階の展望室で雄大な大クスを観ながらゆっくりくつろぐことができます。

　境内には大楠の他にも、イチョウ、オガタマ、モミ、ムク、ムクロジなどの巨木があり、神社全体を優しい香りで満たしています。長い間、ヒーリングスポット・パワースポットとして多くの人々を魅了し、癒し続けているのです。

　また、蒲生八幡神社の周りには武家屋敷通りがあり、お洒落なカフェが点在しています。身も心も清められ、疲れたらカフェでひと休み・・・なんて蒲生のお散歩を楽しんでみてはいかがでしょう。